・自宅でできる簡易検査(簡易PSG)とは?パルスリープで手軽にSASチェック!
・簡易PSGで診断がつかない場合は?自宅での精密PSG・病院紹介で確実な診断へ

「いくら寝ても、昼間に眠くなる。運転中や仕事中にどうしても眠くなってしまう。」
そんな経験はないですか?
また、「寝ているときに、いびきが急に止まって息をしていない。」ご家族からそう指摘されて、不安になった経験はありませんか。
それは、睡眠時無呼吸症候群(SAS:サス)のサインかもしれません。眠っている間に、呼吸が止まったり浅くなったりをくり返す病気です。
実はSASは、循環器内科と深い関係があります。高血圧や不整脈、心不全など、心臓や血管の病気を悪化させることが知られているためです。(こちらの内容は以前のブログを参照してください。)
「検査は入院が必要で大変そう」と思われがちですが、今はご自宅でいつもどおり眠るだけで調べられます。この記事では、検査の流れをわかりやすくご紹介します。
睡眠は人生の約3分の1を占める大切な時間です。その間に体の中で何が起きているのか、一度きちんと確かめてみることをおすすめします。
【自宅でできる簡易検査(簡易PSG)とは?パルスリープで手軽にSASチェック】

SASの検査の基本は、ポリソムノグラフィー(PSG)です。むずかしい名前ですが、「睡眠中の体の状態を、いくつものセンサーで記録する検査」のことです。
このうち、ご自宅で手軽に受けられるのが「簡易式PSG(簡易検査)」です。入院の必要はなく、いつもの寝室で、いつもどおり眠るだけで検査ができます。
当院では、日本の医療機器メーカーであるフクダ電子の「パルスリープ」を、簡易式PSGの検査機器として採用しています。
鼻の下につける呼吸センサーや、指先につけるセンサーなどを使い、呼吸の流れや血液中の酸素の量(酸素飽和度)、脈拍などを一晩記録します。
検査の流れはとてもシンプルです。まず外来で診察を受け、機器の使い方の説明を受けます。そして、ご自宅で寝る前にセンサーを付けるだけです。
センサーの付け方は簡単で、初めての方でもご自身で装着できます。わからないことがあれば、スタッフが丁寧にご説明しますのでご安心ください。
「機械を付けたら眠れないのでは」と心配される方もいますが、機器は小さく軽いため、多くの方がふだんどおりに眠れています。
翌朝センサーを外し、機器を当院へご返却いただきます。記録したデータを医師が解析し、後日の外来で結果をくわしくご説明します。
検査は原則として一晩だけです。お仕事や家事への影響も少ないので、忙しい方でもお気軽に受けていただけます。
費用は健康保険が使え、検査料は3割負担の方で数千円程度です(診察料などは別途かかります)。痛みもなく、仕事を休む必要もありません。
検査では、無呼吸や呼吸が浅くなる状態が1時間あたり何回起こったかを示す「無呼吸低呼吸指数(AHI)」という数値を調べ、これをもとに重症度を判定します。
当院では、フクダ電子社の簡易式PSG機器「パルスリープ」を導入しており、これを用いた在宅検査をご案内しています。


簡易検査でAHIが30回以上であれば、CPAP治療を保険で始めることができます。受診の前に、ご家族にいびきの様子を聞いておくと診察の参考になります。
CPAP(シーパップ)とは、鼻につけたマスクから空気を送り、のどの通り道が閉じないように支える治療です。「朝すっきり起きられる」と実感される方が多くいます。
【簡易PSGで診断がつかない場合は?自宅での精密PSG・病院紹介で確実な診断へ】

簡易式PSGはとても便利な検査ですが、脳波(脳から出る電気の信号)を測らないため、実際に眠っていた時間を正確に知ることができません。
そのため、SASが軽く見積もられたり、「疑いはあるけれど、はっきりしない」という結果になったりすることがあります。
簡易検査で「異常なし」と出ても、症状が続く場合は精密検査を考えます。軽いSASが見逃されている可能性があるためです。
また、簡易検査でAHIが30回未満だった場合、CPAP治療を保険で始めるには、精密検査でAHIが15回以上であることを確かめる必要があります。
こうした場合、当院では精密PSG(終夜睡眠ポリグラフィー)を手配いたします。脳波や目の動き、あごの筋肉の動きなども加えて調べる、より詳しい検査です。
精密PSGは入院で行うのが一般的ですが、当院ではご自宅で受けられる精密PSGの手配も可能です。慣れた環境で眠れるので、ふだんに近い睡眠を記録できます。
病院での検査をご希望の方や、ほかの病気も含めて詳しく調べたほうがよい方には、近隣の専門病院へご紹介し、一泊入院での精密PSGを受けていただけます。
精密PSGの費用も健康保険の対象です。検査の方法や入院の有無によって金額が変わりますので、事前にくわしくご説明いたします。
結果によっては、SASではないと判断されることもあります。その場合も、眠気やいびきの別の原因を一緒に考えていきますので、ご安心ください。
軽症から中等症の方には、マウスピースを使った治療や、減量・寝る姿勢の工夫などをご提案することもあります。治療法は一人ひとりに合わせて選びます。
簡易検査から精密検査、そして治療まで当院が一貫してサポートしますので、「どこで何をすればいいの?」と迷う心配はありません。
まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、放っておくと心臓や血管に負担をかけ続ける病気です。一方で、きちんと検査を受けて治療を始めれば、症状の改善が期待できます。
特に、高血圧や心房細動、心不全で治療中の方は、SASを治療することで、心臓や血管の病気の管理がしやすくなることがあります。
「いびきがひどいと言われる」「昼間に眠くてたまらない」「血圧がなかなか下がらない」。ひとつでも当てはまる方は、まず自宅での簡易検査から始めてみませんか。
検査そのものは、眠るだけの簡単なものです。心臓と血管を守る第一歩として、ぜひお気軽にご相談ください。

